嫁と出会った時の話~発達障害の出会い戦略
先日、Twitterを見ていたら、

と、質問されている方がいらっしゃいましたので、まことに勝手ながらこちらで取り上げさせてもらいます!
今回は嫁と出会った時の話と、彼女の出会い戦略(!?)をご紹介したいと思います。
40過ぎのパズル好きなおっさんは一人飲み歩くのが好きだった
あんまり興味ないでしょうけど、私の話から(笑)。
嫁と出会ったとき、私は40過ぎバツイチの寂しいおっさんでした。私のもっぱらの趣味は、ボードゲームと、安くて美味しいつまみを肴に種々のお酒を飲むこと、くらいでした。
女性が相手してくれるようなお店は好みではなく、居酒屋でお酒を飲みながら一人文庫本やパズル本(ニコリとか)をするのが好きでした。
その日も私は、1人串揚げをツマミにサワーを5~6杯飲みご機嫌でした。時間は23時を過ぎていましたが、〆の一杯とばかりにショットバーを物色していたところ、ケバブサンド店を併設した、ちょっと不思議なバーを見つけ、さっそくのれんをくぐるのでした。
8席程度の狭いカウンターバー
店は8席程度のカウンターしかない、うなぎの寝床のような小さなバーでした。私は、できるだけ隅に座ろうと店の奥を見ると、一番奥の席に女性が座っていたため、一つ席を空けて二つ隣の席に座りました。
その後、他の客が来たため、席を一つ詰めたのですが、その時、隣(一番奥)の席に座っていたのが今の嫁になります。
30歳手前の東大卒アスペ女性はブラック企業で疲弊していた
当時の彼女は、ブラック企業で疲弊していました。
帰りはいつも22時過ぎ。帰ってから自炊する体力は残っていません。
かといって、22時過ぎでは安くて美味しい個人店は軒並み閉店で、24時間やっているような牛丼、立ち食いそばには飽き飽きしていたこともあり、湾岸戦争帰りというユニークな経歴を持つマスターのお店でマトンの煮込みとサフランライスを食べるのが大好きなのでした。
そのお店が、上述のケバブサンド店を併設したショットバーでした。
発達障害疑いの彼女は、良質なコミュニケーションを求めバーに来ていた
当時、発達障害かも、と自覚のあった彼女ですが、精神科で診断を受けるようなことはしていませんでした。
一方で、仕事上でも同僚や上司とのいざこざや軋轢は絶えず、上司からも「コミュニケーション能力の向上」を求められていました。
そこで、クソ真面目(誉め言葉)な彼女は、実直に、人との良質なコミュニケーション(と夕飯)を取れる場を戦略的に検討した結果として、下戸であるにもかかわらず、そのバーを選んだのでした。
アスペ女性の出会いの場として小奇麗で小さなバーがお勧めできるかも知れない理由
彼女が求めるコミュニケーション相手に出会える場として、その小奇麗で小さなバーを選んだのには、大きく以下の3つが挙げられると思います。
理由 その1:カクテルパーティ効果が必要ない
出会いの場として人が多く集まる場所に行くと、どうしてもカクテルパーティ効果(ガヤガヤしている中で、特定の音を聞き分けること)が必要となりますが、彼女はアスペルガーの特性ゆえか、カクテルパーティ効果を得ることができない体質です。(カクテルパーティ効果については今度別に記事を書きたいです。)
しかし、客席数が少なく、また、BGMが控えめなお店であれば、周りで他の人が話をしていても、また、カクテルパーティ効果がなくても、相手の話を聞き取る難易度は格段に下がります。
理由 その2:そこまで深い話が必要ない
出会いの場然とした場所ですと、しばしば、その場で臨機応変に高度な会話を求められることがあります。
しかし、居酒屋で初対面に近いような人が多ければ、いくつか会話のパターンを覚えていれば、最低限のコミュニケーションは取れる、ということに、彼女は気付きました。
また、自分は素面で相手が酔っ払っていれば、多少頓珍漢な状態になっても問題ありません(たぶん)。
というわけで、コミュニケーション初心者の発達障害嫁にとっては、コミュニケーションの難易度が格段に下がることは、非常に助かります。
理由 その3:客層がいい
安くて小汚い居酒屋は、どうしても客層が悪いです。すいません。
べろんべろんに酔った粗暴な人に絡まれ、発達障害だからといじられたりしたら悲しくなります。
その点、単価が多少高く、敷居の高い小奇麗なお店ですと、
- 優しい
- 余裕がある
- 知識がある
と言った方が多く来ます。こういった方が相手だと、こちらに落ち度があっても話がぎこちなくても、受け止めてくれたり、流してくれたり、理解してくれたりします。
そういった理由で、出会いの場を慎重に選ぶことはとても大事で、コミュニケーション相手を選ぶことは難しくても、多くの問題は発生しづらくなると考えます。
自身の特性を考慮して、弱点を見せず、強みを活かせる場に、勇気を持って踏みこもう!
キレイにまとめると、彼女は、自身の苦手と考える特性をカバーし、強みを活かせる場を慎重に検討し、多少の出費は投資と割り切って飛び込んで行ったことで、今の生活につながったんだと思います。
今回の話も参考になる自信はないのですが、現状に悲観して殻に閉じこもらず、解決策を熟考して実際に行動に移すことで自身で道を切り開いた彼女の勇気については、多くの方の参考になるのではないかと、私は思います。
|
|
“嫁と出会った時の話~発達障害の出会い戦略” に対して3件のコメントがあります。