女子よ来たれ!東京大学文科3類のススメ
宇多ママです。
私は東大文3(文科3類)入学、文学部卒業です。
そもそも文3って何?
東大は2年生までは全員教養学部(前期教養)におり、3年からの進路を本人の希望と成績で割り振るという制度(進学振分、通称 進振り(しんふり))があります。
ですが、文系/理系で一括採用ではなく、それぞれ科類を設けて大体の傾向を付けております。
文系は、
- 文1 法学部
- 文2 経済学部
- 文3 文学部、教育学部、教養学部(後期)
が主な進路です。要するに、文3は法&経済以外の、人文科学中心の雑多な集合体という感じです。
理系についてはすみません。理3が医学部へ進む異次元の頭脳ということ、理1が男子校レベルに女子がいない事しか分かっていません。文系の話だけで許してください。
というわけで、文3は一般的には東大の中でも評価が低いです。
ですが!文3こそ、1番オススメ出来る科類だと思います。
特に女子にはオススメです。
何故女子に東大文3をオススメするのか
女子に東大文3をオススメする理由として、以下の点が挙げられます。
- とにかく個性的
- 受験のコスパが良い
- 女子が多い
- 授業の自由度が高い
- 高校閥を(少なく私は)感じなかった
- 大教室講義が相対的に少ない
- 語学が強いなら特にオススメ
- 進振り(進学振分)が楽しい
これらを1つずつ、説明していきます。
1.とにかく個性的
とにかく個性的な人が多いです。
何かのオタクでも全く浮きません。腐女子?普通に居ます。むしろ変人が多数派かも知れません。
帰りの電車が同じ間、30分間、ずっとシェイクスピアの魅力を語り続けた人も居ました。
毎回着物姿で授業を受けている女性も見ましたし、ピグレット耳をつけて大教室講義に行ってる同級生も居ました(TDL/TDS以外であれつけるのは猛者だと思います)。
ミリオタで卒論を戦車で書くと宣言した人も知っています。学内で旧ソ連軍の軍帽を被っている人もいました(レプリカではなく、本物、です!)。
一見目立たない人でも、結構凄かったりします。駒場祭(東大の文化祭)の一角でスマブラ大会をやっていたのですが、そこに出場したクラスメイトは人が変わってました。スマブラガチ勢です。
ちなみに、後輩の考古学専攻の人は大学内で「土器洗い」のアルバイトをしていました。
毎日飛行石を付けてる人もいました。
その他、忘れているエピソードも多数あると思います。

どんな変わった人でも東大なら受け入れてくれます。
あなたでも多分浮きません。」
と2者面談で高校時代の担任が私に言い切っただけのことはありました。
それまで、ずっと周りから浮いていて辛い思いをした発達障害の方とかでも、東大文3なら楽しい学園生活を送れると思います。
2.受験のコスパが良い
大学受験で言えば、基本的には最低点が文系で1番低いです。「どこでも良いから東大合格したい!」という人にはオススメです。
倍率3倍になるよう、センター試験下位者は2次試験の受験資格すら与えないという足切りという制度がありますが、2020年度に至ってはその3倍ギリギリだったみたいで、最後のセンター試験の最低点(575点)を見て震えました。
→ 参考:東大受験まとめトップ ≫ 東大入試足切り点・合格最低点推移
3.女子が多い
女子率が高いです。東大の女子率は2020年度入学者で18.5%ですが、文3のみだと33.4%と約1/3が女子です。
→ 参考:大学進学ニュース「東大入試2020 3010人の合格発表 女子は18.5%、現役は67.2% 合格最低点は低下」
文2の先輩と話した際、

と言われました。
同じクラスに女子が2人(理1談)と11人(文3実体験)では、女子生徒の馴染みやすさは段違いだと思います(1クラスはおおむね30人です)。進振り後も比率はほぼ変わらないです。4年間過ごしやすいことが重要ですので、女性には1番オススメできます。
4.授業の自由度が高い
必修科目のうち、選択必修科目(いくつかの科目の中から必要数を選んで履修すること)が多めでした。授業の自由度が高いので、興味のあるものを沢山履修出来たり、単位の取りやすさで選択出来たりして良かったと思います。授業が楽しいのはモチベーションも上がり、成績にも反映されやすいです。
5.大教室講義が少ない
文1.2の講義に比べて履修者が少ない講義が多く、大教室講義が好きではない人(バレないならサボってしまいたいから大教室講義は出ない)でも、しっかり授業に参加出来るかと思います。
個人的には大教室講義なんてオンラインで十分だと思います。
6.高校閥が少ない
高校閥とは、出身高校ごとに派閥(グループ)が作られる、と言うことです。

みたいな話もネット上で見たことがありますが、文3は進振り後は主に文学部という性質上、開成、筑駒、灘みたいな超進学校の人は比較的少ないです。
開成の人も居ましたが、普通に、

くらいの扱いでした。ちなみに、シケ長とは、定期試験対策委員長の略です。定期試験前に授業内容の概要を作成する際の取りまとめを行ったり、他クラスから復習のプリントなどを融通してもらう折衝担当を担ったりします。
強い高校閥がない分、色々な地方から地域トップクラスが来る感じで、地方出身者も多かったです。
7.語学が強い人、好きな人なら特にオススメ
必修科目で語学の授業が他の科類より多いので、語学が強い方が進振りで有利です。私はそこまで語学が得意ではなかったので、その点で苦労しました。
8.進振りが楽しい
進振り(進学振分)とは、1年生と2年生の途中までの成績を元に、3年生からの進学先を決めることができる制度です。文1なら法学部、文2なら経済学部などとなりますが、文3はこれらのようなエスカレーター式ではなくバラエティに富み、楽しいです。
人文科学系ですが、例えば、「源氏物語」をタイトルにして考えてみます。
学部 | 専攻 | 課題(例) |
---|---|---|
文学部 | 国文学専攻 | 源氏物語(正攻法) |
日本史学専攻 | 源氏物語が書かれた歴史的背景 | |
美学・芸術学専攻 | 絵巻物から見る源氏物語 | |
社会学専攻 | 源氏物語が日本のジェンダー論に与えた影響 | |
教養学部(後期) | 超域文化専攻 | アーサー・ウェイリー翻訳版源氏物語がイギリスにおける日本文学の認知に与えた影響 |
教育学部 | 教育社会学専攻(生涯学習コース) | 地域の生涯学習講座における源氏物語 |
などなど。源氏物語という同じタイトルでも、専攻によって何処でも出来るネタはあります。
選ぶのが悩ましい人にとっては混乱のタネかも知れませんが、懐の深さが文3の魅力だと、私は思います。
さいごに:楽しいこといっぱいの東大文3へ行こう!
簡単ですが、以上です。
歴史、語学、社会、心理、そして思想などなど、多様性を体現したような科類である文3は、個性の集まりともいえる楽しいところです。
文1や文2のように特定の国家資格などに特化した科類ではないため、就職では若干苦労するようですが、少なくても書類審査で落とされたことはほぼありません。むしろ私は発達障害のため、面接で確実に落とされますが・・・
といったところで、上記の紹介で文3に興味を持って頂けたら幸いです。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
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